責任をもって接する「主治医」となることが内科Ⅰの診療理念です 内科Ⅰを受診される方へ

北海道大学病院内科Ⅰホーム > 内科Ⅰを受診される方へ > 専門の病気について > 誤嚥性肺炎

専門の病気について

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、だ液や食事、胃液などを肺へと吸い込んでしまう(誤嚥する)ことによって起こる肺炎です。嚥下性肺炎とも呼ばれます。通常では、仮に誤嚥を起こしたとしても、激しくせき込んだりして肺から異物を出そうとする反射が起こり、肺炎にはなりません。しかし高齢であったり脳梗塞などの病気があったりすると、この反射が十分に起こらないことがあり、本人も周りの人も気付かない間に誤嚥を起こし肺炎となります。

原因菌は、鼻や口の中にいる雑菌が大部分です。ただし菌が肺に入ったからといって、すべての人が肺炎になる訳ではなく、脱水や栄養状態が悪かったり、寝たきりなど体を自分で動かすことが困難であったりするなどの要因が複合して起こります。

症状は発熱、せき、たん、呼吸困難などですが、初期には目立たないことが多いです。また高齢者では発熱やせき、たんが見られないこともまれではなく、なんとなく元気がない、普段と様子が違うなどが発見の契機となることもあります。

治療は肺炎の原因となっている細菌を抑える(除去する)抗生物質の投与です。肺炎によって酸素の取り込みが悪くなった場合(呼吸不全)には酸素吸入を行い、さらに重症となった場合には人工呼吸器を使用する場合もあります。

治療に反応すれば、通常の誤嚥性肺炎は治癒することが多いです。しかしこのような誤嚥の危険性がある方では肺炎を繰り返す場合が多く、また再発を繰り返すと抗生物質が効きづらい“耐性菌”が発生し、ますます適切な治療を行っても治りづらくなっていきます。このため、優れた抗生物質が開発された現在でも、多くの高齢者が死亡する原因の一つになっているのです。

誤嚥性肺炎の予防には、口腔内を清潔に保つ口腔ケア、誤嚥しづらい体位の工夫、嚥下リハビリテーションなどが有効とされています。また嚥下機能を改善する薬剤投与も有効であると言われています。