北海道大学病院 病理部

ご挨拶

北海道大学病院 病理部長
教授 松野吉宏

ようこそ、病理部のページを訪れて下さいました。
このホームページでは、わたしたち病理部がいろいろな立場のみなさんに提供できる情報を満載していきます。病理部を、病理診断を、そして病理学を知っていただくための手がかりとなることができれば大変嬉しく思います。

わたしたち病理部は、昭和50年10月、恩村雄太・北大医学部第二病理学教授(当時)を初代部長(併任)として検査部より独立して以来、30年余にわたり代々の熱意あふれるスタッフによって北海道大学病院の診療・研究の質を基盤から支えてきました。
病理診断と呼ばれる、疾病の質や広がりについての顕微鏡レベルでの確定診断を下すことがわたしたち病理部の業務です。患者のみなさんを苦しめている病変をしっかり見極めるための適正な標本を作製する技術と、病理専門医という客観的な立場からの正しい病理診断なくして最適な治療選択はできません。また、治療の結果を病理学という科学的な方法で冷静に検証しなければ、診療技術の成長も危ういものになるのです。したがって、病理部はほとんどすべての診療科からの診断の求めに応えなければなりません。丹誠込めて作製した標本で自信をもって確定診断を下し、それに基づいて行われた治療によって患者さんが快方に向かったことを知ることの喜びは、おそらく病理診断に従事するものだけが味わえる誇り高い喜びでしょう。そのためにわたしたちは、常に知識・技術・経験をとぎすませ、顕微鏡を通じて病理標本の向こうに見える患者さんの苦しみや熱意あふれる臨床医たちの熱意に応えて、最大限の正確な確定診断をすみやかに差し上げられるよう、いまも心身を磨いているのです。

わたしたちは常に正確で迅速な病理診断を目指しています。しかし、すぐれた病理診断は黙っていても誰にでもできることではありません。すぐれた指導者やたくさんの経験は必要ですし、そのなかには少しの苦い経験も糧として必要です。臨床各科との良きパートナーシップも必須です。でももちろんそれらだけではいけません。何よりもそれを補うのは、みずから顕微鏡を通じて自分と対話し、自己の至らないところを知り、限界を知ってこれを克服しようと努力する真摯さと、みずから疑問を発見しては周到にこれを解決しようと渇望する科学者としてのねばり強い探求心ではないでしょうか。わたしたち病理部のスタッフは、このような姿勢で病理診断を通じて医療や医学に貢献することに深いロマンを感じているのです。

また一方では、北大病院だけでなく、より広い視野で北海道全体やわが国の病理診断の現実を見渡すこともわたしたちには必要です。欧米に比べるとわが国には病理医が少なく、それだけ日本国民は正しい病理診断に出会うチャンスが少なく、診療の質が十分確保できていないとも言える状況です。北海道も例外ではありません。若くてすぐれた病理医が育ってくれるよう、また今ある病理医がもてる実力を十分に発揮して少しでも多くの患者さんや臨床医を支援できるよう、他の大学・医療機関と力を合わせて急いで問題解決にあたらねばいけない時期が来ています。

これからも多くの患者さんやご家族、そして医療者の方々から揺るぎない信頼をいただけるよう、そしてこの北の地における盤石の病理診断の拠点であり続けられるよう、わたしたちは一歩ずつ着実に進んでいきます。
みなさん、今日をきっかけに病理診断に興味を持ってみて下さい。そして、どうか北海道大学病院病理部を、厳しく、しかし温かい目で応援していただきたいと思います。

平成20年4月

北海道大学病院 病理部 Department of Surgical Pathology, Hokkaido University Hospital