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専門の病気について

気管支肺胞洗浄

気管支肺胞洗浄検査とは、肺の一部に生理食塩水を入れてそれを回収する検査です。 気管支鏡という細くて柔らかい肺のカメラを使用します。回収した液を調べることにより様々な呼吸器疾患の診断や治療効果の判定を行うことができます。
気管支肺胞洗浄検査は外来でできる検査ですが、病状によっては入院して行っていただく場合があります。また、検査のために最低3時間の絶飲食が必要です。

対象疾患

様々な疾患が対象となり、以下にあげる疾患以外の病気を疑った場合にも鑑別のために気管支肺胞洗浄検査を行うことがあります。

  • 非腫瘍性疾患~サルコイドーシス、過敏性肺炎、好酸球性肺炎、間質性肺炎、器質化肺炎、肺胞出血、薬剤性肺炎、肺胞蛋白症、好酸球性肉芽腫症、じん肺
  • 肺感染症~肺結核・非結核性抗酸菌症、細菌性肺炎、サイトメガロウィルス肺炎、ニューモシスチス(カリニ)肺炎
  • 腫瘍性疾患~血液悪性腫瘍の肺病変、肺癌
前処置

気管支や肺は通常固形物が通ることのない場所であり、検査のためにはのどや気管支の表面に麻酔をする必要があります。まず麻酔薬(キシロカイン)の吸入および術者による直接噴霧による表面麻酔を行います。つばや痰を抑え検査が楽になるための抗コリン薬の筋肉注射も行います。前立腺肥大症や緑内障がある方は抗コリン薬を使用しない方がいい場合もあるため担当医とご相談ください。麻酔は苦みや咽頭反射などの吐き気を伴う場合がありますが、十分に麻酔が効けばその後の検査を苦痛無く行うことができます。

気管支肺胞洗浄

血圧測定と酸素状態を調べるプローブを指先につけます。検査中は、普段と変わり無く呼吸ができます。声帯という声を出す部分に気管支鏡が通るため検査中は声を出せませんが、術者は常に患者さんの状態を確認するために声掛けをいたしますのでご安心ください。枝分かれしている目的の気管支に生理食塩水を注入し吸引する作業を数回繰り返して終了します。

検査後

のどの麻酔が切れるまで約一時間は飲食できません。安静にしていただき、医師の診察を受けて問題なければ帰宅してください。検査後内服薬を処方する場合がありますが、医師の指示に従ってください。検査後数日は痰がらみやのどの不調が続く場合があります。発熱や胸の痛み、強い咳などの症状があれば早めに受診してください。

偶発症について

気管支肺胞洗浄検査は通常は安全な検査です。しかしながら、低頻度ではありますが、いくつかの合併症(やむを得ず一定の確率で起こる事故)がおこる可能性があり、検査を行う前に患者さんの同意が必要です。

前処置(注射・局所麻酔など)による偶発症
約5,000人に1人

検査中におこる偶発症
局所麻酔薬中毒 約1,000人に1人
血圧低下・不整脈 約2,000人に1人
気管支喘息発作 気管支喘息を合併している患者さん以外では稀

肺炎
約2,000人に1人

※間質性肺炎
特発性間質性肺炎の場合には本検査をきっかけにして原病の急性増悪(急激に病状が変化し呼吸状態が悪化すること)をきたすことがあります。その頻度は2.4%という報告があります。

偶発症が発生した場合には直ちに適切な医学処置を行います。