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専門の病気について

胸膜中皮腫

肺がある空間(胸腔)や胃腸・肝臓などの腹部臓器がおさめられている空間(腹腔),心臓がおさめられている空間は膜で覆われており、それぞれ、胸膜・腹膜・心膜と呼ばれます。これらの膜の表面は「中皮」と呼ばれる細胞で覆われており、この中皮から発生した腫瘍を中皮腫といいます。したがって、中皮腫には、その発生部位によって、胸膜中皮腫・腹膜中皮腫・心膜中皮腫などがあります。

分類

中皮腫は、まれに限局性(1ヶ所にかたまりを形成するようなもの)のタイプがありますが、多くが膜にそって広範囲に広がっていくタイプ(びまん性)で、悪性です。悪性中皮腫はまれな腫瘍ですが、近年増加傾向にあります。発症には、アスベスト(石綿)が関与していることが多いといわれています。

症状

胸膜中皮腫は、胸痛や咳嗽、呼吸困難などで発見されることがあるほか,無症状で胸部X線写真の異常で発見されることがあります。

診断・検査

胸部のX線やCTでは、胸膜の肥厚や胸水の貯留が認められます。肺癌と区別が難しいことも多く、胸に針を刺して胸水の中の腫瘍細胞を調べたり、局所麻酔下の生検(胸腔鏡検査)や全身麻酔での手術などで腫瘍を一部採取して診断します。また、病巣の進展範囲を評価するために、全身のCTや脳のMRI、骨シンチグラフィー、FDG-PETなどを行います。

治療

悪性びまん性胸膜中皮腫は、非常に予後不良な病気ですが、これに対する治療には、外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法などがあります。抗がん剤ではペメトレキセド(アリムタ)とシスプラチンとの併用療法が生存期間を延長したと報告されており、当科でもこの抗がん剤を使用して治療を行っています。しかし、確立された治療法は少ないため、放射線や種々の抗癌剤および外科療法のいずれか、あるいはこれらを組み合わせた新しい治療法が臨床試験として行われることもあります。