入院診療費の包括評価導入

−出来高払い方式から包括評価払い方式へ−
※診断群分類毎の1日当たりの診療単価に入院日数を乗じて得た金額を支払う方式

 厚生労働省は、大学病院などの特定機能病院に平成15年4月から、患者さんの病状等によりあらかじめ設定された診断群分類にあてはめて、その分類毎に設定されている1日当たりの診療単価(定められた範囲の診療内容を一纏めにして=包括評価)に入院日数を乗じて得た金額を支払う方式を導入しました。

 この包括評価方式は、全国の大学病院等からデータを集めて診断群分類別に入院日数や診療内容を比較出来るようにして、膨張し続ける医療費の抑制と、より医療の質を高めようとするものです。

 診断群分類は、疾患分類575分類(2,552診断群分類)に分類され、昨年7月から10月までの診療実績に基づき収集したデータから、統計的に有為と判断された1,860診断群分類が今年度の包括評価の対象となっております。
 残る692分類は、従来の出来高による算定となっておりますが、今後の調査データの蓄積により、包括評価対象に移行するものと思われます。
 また、今年度は基礎となるデータの不足等により少なからず設定単価が実情を反映していないと言うケースが発生しており、今後の調査等により更に精緻化を図ることが予定されております。

 この包括評価に込められている医療費の削減と合理化への要請は、ややもすると重篤な症例を受け入れない又は必要最低限の医療しか行われない等の傾向が懸念されているところですが、北大病院では、合理化の推進と今まで通りの「必要な医療を必要な人に」をモットーに取り組み続けることとしております。

 北大病院では、6月1日からこの包括評価方式を導入しました。
 包括評価の対象は、現在のところ6月1日以降新規に入院した患者さんで、導入日前に入院していた患者さんは従前の出来高による算定方式となっております。
 なお、8月1日からは全員包括評価の対象となりますが、基本的に支払額には大きな変化はないものと考えております。
算定例
◎白内障で片眼に眼内レンズを挿入した場合  診断群分類【0201103x020x00】
  ○ 1日当たりの設定診療点数【診断群分類及び入院期間に応じて設定】
      ・入院初日から4日まで  2,578点@
      ・5日から8日まで      1,906点A
      ・9日から16日まで     1,620点B
      ・17日以降         出来高で算定
                      *入院日数が長くなるにつれて、
                        1日当たりの平均単価は低くなる。
  ○ 医療機関別係数【包括評価に係る医療機関別医療費の実績に基づき設定】 
           北大病院     1.1448C
◎13日間入院した場合の算定額
       (@×4日+A×4日+B×5日)×C+16,762点D=46,568点
            *D=包括評価対象外の手術料(ここでは眼内レンズ挿入術)等算定例

◎8日間入院した場合の算定額
      (@×4日+A×4日)×C+D=37,295点
       *診断群分類は、それぞれに意味を持たせた14桁で構成されており、
        個々の疾患及び入院日数で算定額は異なるので、不明な点がありま
        したら「入退院受付」にお尋ねください。


 また、包括評価の対象は、外来診療を除く一般病棟(精神科病棟を除く。)に入院する患者さんで、ドクターフィー(医師等が行う診療技術的部分)的な次に掲げる診療(*)を除いたホスピタルフィー(病院の基本的な管理運営的部分)的な部分で、包括評価診断群分類に該当するものに限られております。
* 包括評価対象外(出来高算定)となる主たるもの
  手術料(麻酔・薬剤・材料を含む。)、放射線治療料、リハビリテーション料、精神科専門療法料、指導管理料、
  1,000点以上の処置料、心臓カテーテル法・内視鏡等による検査及び組織採取・穿刺料、退院時処方薬剤料