「患者さんの個別性を尊重した計画的な看護実践をサポートする患者看護支援システム」

看  護  部


北大病院ではさまざまなコンピュータシステムが活用されております。1995年から医療情報部を始め院内の支援のもとで、開発を進めてまいりました「患者看護支援システム」(看護記録の電子化)が完成しこの11月から本稼動となりました。
患者看護支援システムは、「経過記録(温度版)」と「看護過程記録(看護計画・実践・評価・要約)」の二つの柱で構築しています。





「経過記録(温度版)」は、体温、血圧等のバイタルサインや症状などの観察結果の入力、検査結果や内服薬・注射の実施結果などをグラフや表で表示します。
1日、1週間、4週間など様々な期間を設定して参照でき、医療チームがタイムリーに情報を共有できます。


 「経過記録(温度版)」



看護師は「経過記録」を作成するために、携帯型のコンピュータを持ち歩いて患者さんの体温、血圧等の値をベッドサイドで入力をします。


ベッドサイドでの測定入力


「看護過程記録」は、一般的に看護記録と呼ばれてきたもので、看護計画や日々の実践など看護過程に添って入力します。
病棟や外来などで、自宅での状況や現在の状態、入院の目的や健康回復に向けた目標・ご希望などをお聞きして看護計画を立て、それにそった実践内容を日々入力します。
看護師が入力した情報を患者さんに確認していただいたり、患者さんの目標や希望を大切にして立案した計画をお見せすること等に活用ができます。
また検査・治療の予定や具体的なケア計画などを患者さん用のスケジュール表として出力することもできます。
このように看護実践に必要な患者さんの情報が統合されたことで、各部門間で情報を共有することができ、患者さんの目標に添って継続した看護を提供する体制が整備されました。
また、このシステムは医師等の医療チーム間でも利用され、必要な情報が正確かつ迅速に共有することができ、医療の効率化および質の向上に寄与できると期待しています。
また、従来、記録類は略語や専門用語が多く、誤字・脱字・くせ字などで見づらく、わかりにくいということが指摘されてきました。これらの問題がワープロ入力により、患者さんにもわかりやすく改善されます。
患者看護支援システムは患者さんとの目標の共有を大切にし、個別性を尊重した計画的な看護実践をサポートできるようにと考え実現したものです。
今後、活用する中で評価し、さらによいシステムにしていきたいと思っております。


訪問看護・リハビリについてシステムを活用したカンファレンス(継続医療部)