北大病院ボランティア活動の紹介

ボランティア委員会


 北大病院へのボランティア導入は平成7年10月から始まりました。
 当時病院長でありました阿部弘名誉教授が、米国留学中にピンクのユニフォーム姿のボランティア活動に感動した経験を患者サービスの一環として本院への導入を方針に掲げたことが切っ掛けでした。
 現在では多くの病院で採用されておりますが国立大学附属病院では東大病院に次ぎ、道内公的病院では初の英断でありました。
 阿部元病院長に命名された「ポプラの会」はボランティアの皆様、職員と共に育み継承されています。
 平成11年には北大ボランティア活動相談室の紹介による学生の活動も加わりました。
 小児科病棟では「ふきのとう文庫」、「そよかぜ保育園」の皆さんにより図書管理や保育を中心とした活動もあり、総勢90名以上の方々が女性はピンクのエプロン、男性はブルーのユニフォームやエプロン姿で活動されています。
  ここではその活動の一端を紹介させて頂きます。

  「ポプラの会」では現在54名の皆さんが活動中です。
 外来では受診手続きの手伝い・案内、病棟ではディルームの図書管理や院内保育、マスコット作り、病院行事ではふれあいコンサート・看護の日、在宅酸素患者交流会への参加などその活動は紙面が足りないほど多岐に渡っています。
 ふれあいコンサートの『クリスマスの夕べ』では、ハンドベル演奏で拍手喝采の名演奏者に、そして『七夕の夕べ』では、500個近いヨーヨーを作り、「縁日」の雰囲気作りに貢献され、入院中の子どもや大人の患者さんにも大好評です。


「七夕の夕べ」ヨーヨーつり


 外来での活動では、視力障害の患者さんに受診科までの案内、困っている患者さんへの声のかけ方や手の貸方のタイミングが絶妙です。
 小児科では他のグループの皆さんと共にプレイルームで様々な遊びの工夫をして頂き、付き添っているお母さんにとっても心なごむ一時となっています。


小児科病棟での保育活動

 外来の長い廊下の窓辺の置いてある植物に水を注いで頂き、青々と元気な植物を見ると長い廊下が短く感じます。
 こうした活動について、長い時間をかけ「ポプラの会、5年間のあゆみ」として発刊されました。
 手作りの努力により完成した詳細なる活動の記述は、読む者に感動を覚えさせる貴重な一冊です。

 また、北大学生ボランティアは常時20名の学生のよる病棟を中心とした活動です。
 講義の終了後や休日に週1〜2回、数時間の活動を行っています。
 患者さんの話し相手、配下膳、配茶、家庭教師、子どもの遊び相手などが主な活動です。
 面会が思うようにできないという家族や病棟看護師長からの要望により、孫のような学生が話し相手となり元気になった患者さんもいます。時には碁の相手になるなど単調になる患者さんの入院生活に潤いをもたらしています。

 活動動機は病院で自分のできることをやってみたい、自分の入院体験から等様々ですが、短くて数ヶ月、長くて1年間の活動期間が多い中で、スタート当初から現在まで4年間活動している学生Sさんもいます。
 活動を希望してきた学生を前に、長期活動してきた熱い思いを力まず、淡々と語ってくれたSさんは来春大学院を卒業とともに活動も終わります。
 患者さんや病棟スタッフに信頼され、病棟チームの一員と別れを惜しまれています。
 自発的・積極的なボランティア活動を続けてきたSさんは、ご自身の持てる力の可能性を広げられたとのではないかと思います。

 以上、活動の一端を紹介しましたが、ボランティアの皆様には患者さんと共に職員も励まされる日々です。
 活動されている皆様にとりましても、未来に繋がる良き日々でありますことを願っています。