CTとは

CTとは、コンピューター断層撮影装置
omputed omography の略称

X線装置とコンピューターを組み合わせた医療機器。

CT装置の中心にある大きな穴に撮影する部位を入れ、 X線を360度回転しながら照射して人体の横断面を撮影し、各方向からの像をコンピューターで処理することでその断面の画像を得る事が出来ます。
人体の輪切りの断層画像は、診断に大変役立つ検査です。
 


検査の種類

単純CT検査

寝台に寝て大きな円筒状の穴の中に寝台ごと入り撮影します。




造影CT検査

ヨード造影剤という薬を静脈注射した後に撮影します。




ダイナミックCT検査(Dynamic CT)

ヨード造影剤を静脈注入した後に同じ部位を繰り返し撮影し、経時的変化を観察します。



CTA(CT Angiography)

動脈や門脈等の血管を撮影します。



心臓CT検査

小児の心臓CTから冠動脈CT(coronary CT)まで様々な心臓の検査を行っています。
 心電図を取りながら、ヨード造影剤を静脈注射した後に心臓の動きに合わせて撮影します。



VR(Volume Rendering)

撮影後にコンピュータで画像処理を行い、3D画像を作製します。



検査の流れ

造影剤を使用しないCT検査の場合は、検査前に準備していただくことはありません。
造影剤を使用するCT検査の場合は、腎臓の機能に問題ないか確認する必要があります。 その為、CT検査の前に採血に行って頂きます。 またビクアナイド系経口糖尿病薬を服用中の方は、検査前の48時間及び検査後48時間は、 一時中止お願いします。
 
1階の「CT受付」にてお名前をお申し出ください。 妊娠している方、または妊娠の可能性がある方は、必ず事前にお知らせください。
 
造影検査をより安全に行うために、造影剤を使用する検査の際には問診票の記入をお願いしています。
 
検査部位により金属がついた服や下着、貴金属などをはずして頂くことがあります。 検査衣に着替えて頂く場合もあります。
 
順番が来ましたらお呼びします。
まずCT装置の寝台に寝ていただきます。
造影剤を使用して撮影する場合は、担当の看護師または放射線科医師が 腕の静脈に造影剤注入用の注射をさせていただきます。その後、担当の放射線技師が患者さんの位置決めを行います。
撮影開始の案内をしますので、身体を動かさないでください。
撮影時には息を数回止めていただきます。
スピーカーから「息をすって、止めてください。」と案内が流れます。
寝台が移動しながら撮影します。「楽にしてください。」と聞こえるまで しっかりと息止めをお願いします。
(息止めをしない撮影、息を吐いて止める撮影もあります)
造影剤を使用した後で気分が悪くなったり何か変わったことがありましたら マイクを設置していますので、すぐに大きな声で教えてください。
また、操作室から見ていますので、手などで合図をしてもらっても結構です。
検査時間は、単純CT検査で5~10分、造影CT検査で10~20分程度です。
 
造影剤を使用した場合、 体からの排泄を促進させるため、検査後に水分(お茶、水、ジュース等)を多めに取ってください。造影剤は尿として排泄されます。 なお、水分を制限されている方はお知らせ下さい。  この他、日常生活等で制限していただく事はありません。普段通りの生活が出来ます。



造影剤とは

目的とする検査部位(臓器)をより詳しく調べる為に使用する検査用の薬です。CTで使用する造影剤は、ヨード製剤です。
使用する造影剤の量は、体重により決めています。
腕の静脈から約100~150ml程度注入します。造影剤を注入すると身体が熱く感じますが、やがて消失するので心配ありません。



造影剤を使う利点

血管の状態、臓器の血流状態、病変の血流状態や特徴がわかり、画像診断上、重要な情報となることがあります。また、造影剤を使わなければ病気を見つけることができないことがあります。



造影剤で副作用が生じる危険が高い状態

アレルギー体質の方は副作用を生じる可能性が約3倍高く、なかでも気管支喘息の方は約10倍といわれています。
また、腎臓の機能が低下している方にCTの造影剤を使うと、腎機能を悪化させることがあります。
さらに、ある種の糖尿病の薬の副作用が出やすくなることがあります。

次に該当する方は、造影検査の前に、主治医とご相談ください。

  • 以前に 造影剤で具合が悪くなったことがある。
  • 気管支喘息やアレルギー体質と診断されている。
  • 腎臓の機能が低下している、あるいは腎臓病と診断されている。
  • 糖尿病の飲み薬を服用している。特に、ビグアナイド系経口血糖降下薬(グリコラン、メルビンなど)を服用している方では下記の注意が必要です。
    • 造影剤により腎機能が低下することにより糖尿病の薬の排泄が低下し、乳酸アシドーシスを起こすことがあります。そのため、糖尿病の薬を検査前48時間中止する必要があります(ただし、緊急に造影CT検査を行う必要がある場合はこの限りではありません。)。造影剤投与後48時間は糖尿病の薬を再開しません。
    • 造影CT申し込み時から撮影までの間に新たに糖尿病の薬の処方があった場合には、依頼科に速やかに連絡してください。
    • CT撮影当日に糖尿病の薬を服用していることが判明した場合には、検査を延期することがありますのでご了承ください。
  • 甲状腺機能亢進症と診断されている。
  • 妊娠している可能性がある(胎児に対する造影剤の影響がよくわかっていないため)。
  • 心臓など循環器の機能が低下している。
  • 高齢者(潜在的に生理機能が低下している)。

なお、以前に造影剤を使った際に副作用が出ていなくても、次の造影剤検査で副作用が出ないとは限りません。


造影剤の副作用

副作用の頻度は、軽症なものを含めて約3%といわれています。造影剤の副作用は、検査中や検査直後に生じるもの(即時性副作用)と検査後数時間から数日後に生じるもの(遅発性)とがあります。また、検査中から検査後数日の間に注射部位が腫れたり、炎症を起こすことがあります。
A.即時性副作用
ほとんどは、吐き気、嘔吐、熱感、皮膚の異常(赤くなる、かゆみがでる、むくむ、じんま疹)、くしゃみ、せき、などの軽いものです。しかし、まれに(10万人に数人程度)、冷や汗、血圧低下、胸が苦しくなる、呼吸困難、腎不全、意識障害、けいれん、不整脈などの重い副作用が起こることがあります。極めてまれですが死に至る報告もあります。また、注射部位が腫れたり、炎症を起こすことがあります。
B.遅発性副作用  まれに、検査後数時間から10日後くらいの間に、体がだるくなったり、頭痛、皮膚の異常などが出ることがあります。腎機能の低下などが出ることがあります。頻度は、即時性副作用に比べ、さらに低くなっています。糖尿病の患者さんでは、腎機能低下が生じる危険性がやや高くなります。これらの多くは一過性です。ただし、もともと腎機能が低下している患者さんでは、腎機能がさらに低下する頻度が高く、治療を要することがあります。



その他、起こりうる合併症

造影剤そのものの副作用ではありませんが、造影剤投与に伴い下記のような合併症が起こる可能性があります。
・ 穿刺に伴う神経障害および動脈穿刺:造影剤は一般的に腕の静脈から注入しますが、静脈の近くには神経や動脈が走行していますので、造影剤を投与するための針を穿刺する際に、神経損傷や動脈への穿刺が起こることがあります。
・ 造影剤の血管外漏出:造影剤が血管外に漏れることがあります。皮下組織に造影剤が漏れると、腫れを生じます。神経や血管を圧迫することもあり、場合によっては外科的処置が必要となることもあります。

検査終了後数時間から数日後に、先に述べたような症状や、何か異常があらわれた場合には、 下記の連絡先までご連絡ください。

平日  8:30~17:00  
北海道大学病院 代表
(011)716-1161
→各診療科外来へ転送します
 
夜間 17:00~翌日8:30
及び休日・祝祭日
 
北海道大学病院 事務当直
(011)706-5610
→各診療科病棟当直医へ転送します
 



お願い・注意事項

* 妊娠の可能性がある方は、必ず事前にお知らせください。
* ペースメーカーを装着されている方は必ずペースメーカー手帳を持参してください。 機種によっては、誤動作する恐れがあります。
* ビグアナイド系経口糖尿病薬を服用中の患者様は、「造影 CT 検査」を受ける際、48時間の服薬中止をお願い致します。 本剤の併用により乳酸アシドー シスを起こすことがあります。