マンモグラフィとは

マンモグラフィ検査とは、胸部X線検査と同じようにX線を用いた乳房の検査のことです。乳腺症や乳癌に伴う石灰化や
腫瘤などの病変を診断するためにマンモグラフィ専用の装置で撮影します。
撮影する際は、乳房を圧迫固定して撮影するため、個人差はありますが痛みを伴う検査です。
近年、乳癌の罹患率、死亡率が上昇しており、早期発見・早期治療にはマンモグラフィ検査が必要不可欠です。
当院では、女性放射線技師が撮影を担当します。

検査の流れ

1階のX線受付で受付をしてください。
その後、呼ばれるまで第16, 17撮影室近くでお待ちください。
混みあっている場合には30分以上お待ちいただく場合もあります。ご了承ください。
 
入室後、上半身の衣服を脱いだ状態で撮影するため、着替えをお願いします。
また、胸より上に付けているアクセサリー類も外してください。
 
立位で撮影します。座位でも撮影できますので、ご希望の方は遠慮なくお申し付けください。

放射線技師がポジショニングを行います。
撮影のために、乳房を伸ばし、強めに圧迫します。ご理解とご協力をお願いします。

左右でそれぞれ2方向撮影します。
・頭尾方向(CC; Cranio-Caudal)撮影:上から圧迫する撮影
・内外斜位(MLO; Medio-Lateral Oblique)撮影:装置が傾いた状態で、斜めから圧迫する撮影

撮影後、技師が撮影した画像を確認します。
確認後、着替えをお願いします。
 
撮影したフィルムをお渡しします。
着替えが終了しても、室内でお待ちください。

他の検査室で撮影がある場合は、技師からお伝えします。次の検査室前への移動をお願いします。


撮影について


乳房を平らに伸ばし、圧迫することで以下のような効果があります 。
・乳腺が広がるので、石灰化や腫瘤が発見されやすくなり、より診断に有用な画像となります。
・厚さが薄くなることで、より少ないX線で撮影することができます。
・挟んで固定しているため、動きによるボケがなくなります。


異なる2方向から撮影することで、より広範囲の診断をすることができます。また、病変の位置がより正確にわかるようになります。
・内外斜位方向(MLO; Medio-Lateral Oblique)撮影では乳房外側の腋下(脇の下)部分から乳頭までの広い範囲を診ています。
⇒大胸筋を含めて撮影するため、撮影台にピッタリと近づきます。この時、胸を張り過ぎたり、猫背になり過ぎないようにお願いします。
・頭尾方向(CC; Cranio-Caudal)撮影では、MLOでは撮影部分から外れてしまう乳房内側を診ています。
⇒できるだけ撮影台に近づき、特に乳房内側が台から離れないようにお願いします。

注意事項・お願い

  • 撮影前、パウダー入りの制汗剤の使用は控えてください。細かいパウダーが写り込んで、診断できない画像となってしまいます。
  • 髪の毛、特に整髪料がついている場合も画像に写り込んでしまうため、髪の長い方には髪の毛をまとめていただきます。髪留め、ゴム等の用意をお願いします。検査室にも用意していますので、必要な方はお申し付けください。
  • 乳房を圧迫するため痛みを伴います。リラックスすることで緩和されることもあります。また、乳腺の柔らかい時期に撮影する方が痛みは軽減されます。
  • 撮影中、気分が悪くなる方もいます。我慢せずに技師にお申し付けください。
  • 以下に該当する方は、技師にお申し付けください 。
  • ペースメーカー、治療用のポート等が埋め込まれている方
  • 手術後の傷あとが気になる方
  • 豊胸手術を受けた方
  • 妊娠中、又は妊娠の可能性のある方
  • その他不安なことが有りましたら、遠慮なくお申し付けください。



マンモトーム生検とは

ここでお話しするマンモトーム生検は、正しくはステレオガイド下マンモトーム生検と言います。
正面撮影の他に、カメラ部分が左右に15°ずつ傾いて撮影(ステレオ撮影)することにより、立体的に病変の位置を把握することができることから、このような名前が付いています。
マンモグラフィの装置で乳房撮影をしながら、乳房内の病変組織を採取する検査です。目的病変に対し、径が3mm程の針を刺し、針先の吸引部分から組織を採取します。通常のマンモグラフィ撮影同様、圧迫した状態で行います。局所麻酔を使用するので、麻酔後、痛みはほとんどありません。

マンモトーム生検の対象となるのは、マンモグラフィやエコー検査の結果、良悪性の判定が付かない病変に対し、その組織診断を必要とする場合などです。

検査には、乳腺外科の医師と放射線技師、看護師が付きます。
 

マンモグラフィ用撮影装置にマンモトーム用の装置を取り付けた状態


マンモトーム生検の流れ(30~60分)

入室後、検査着に着替えをお願いします。
通常のマンモグラフィ撮影と同様に、胸より上に付けているアクセサリー類も外してください。
椅子に腰かけた状態、又は横向きに寝た状態で行います。患者さんの体調や、目的部位によって変わります。
 
生検を行う乳房の位置合わせを行います。マンモグラフィ撮影と同様に圧迫して検査を行います。
生検可能な範囲に、目的病変が含まれているかどうか撮影して確認します。確認後ステレオ撮影します。
目的病変を確認した乳腺外科の医師が、針を刺す部分に麻酔をします。この麻酔により圧迫の痛みは軽減していきます。(ここまで少し我慢していてください)
麻酔によって目標位置がずれていないか、確認のためステレオ撮影をします。
麻酔が効いてきたら生検用の針を刺し、針先と目的病変の位置確認のためステレオ撮影をします。
確認後、更に針を進めます。 (バシンと音が鳴ります)
目的の組織を採取します。 針を進めたり、組織を吸引するときに大きな機械音が鳴ります。
採取した組織の中に病変が有ることを確認できたら、採取した部分に目印となる小さなマーカーを入れて検査終了です。
 
 
ベッドに移り、出血しないように針を刺した部位をしばらく圧迫します。最後に一針程縫います。
着替えをして、外来の看護師と共にお戻りください。